ぱろしょ出張所

創作小説投稿サイト「ぱろしょ」の管理人たちが書くゆるいブログ。 一話が数行で終わる超ショートショートを書いてみたり、無とはなんなのか。なんでもいいや、という境地を見出す感じのブログです

まったり系小説投稿サイト「ぱろしょ」は↓です。わりとしっかり小説を書きたい人はぜひぜひ。
「ぱろしょ」はモノカキのための
都市開発せずに小ネタを探すのが楽しいハートフル都市開発RPG「市長と秘書RPG」正式版公開中!
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やまけんです。
ビビンバが北の国の住人となったため代理更新です。



「市長!最近ではビルを屋上庭園にして少しでも緑化推進してる所が増えてるようですよ」
「屋上庭園はどこに作るんだ?屋上か?」
「そうです」
「では我が市も公共施設の屋上庭園を推進するか」
「それがいいと思います。エコな都市として」
「エレベータの階数表示を全部Rにしろ」
「全フロアを庭にする気ですか」
「やるからには」
カッ。ドサリ。                 完





特別読み切り ~風邪ひき市長~
「ぺふーんぺふーん」←咳
カッ。ドサリ。←耳障りだった                 完

--
(文・ビビンバ吉田)
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心の乱れとは BlogEdit 1乱


今日も平和だった。
どのくらい平和だったかというと、"せ"という文字が徐々に変化して"ご"になってしまったごかいを「いらっしゃいまご」と力強くごっきゃくするごいねんがごごんえんをおさいごん箱に入れたら今度は"ご"が"り"になってしまい、更にりりんえんをおさいりんに、という事が繰り返され、さいりに文字は"ふ"ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、というくらい平和だった。
今日も家路につくと留守番電話をチェックする。
――1件。
再生ボタンを押す。
「私は深層意識で捕まえて欲しい、と思う時があってね。ヨーグルトみたいでしょ?」
やはり彼女からだった。
……。

しんそういしきでつかまえる?

彼女が思っている事は一体何だ。
深層意識というのは人の奥深くにある意識であって、明確な意識としてしまえばそれは既に深層意識でなく表層意識となってしまう。自分の中にありながら手が届かないものだ。
特に認識した事象を無意識に言語へ変換、表層レベルにまで情報を切り落としてしまう人間である限り、認識したものをありのまま留めておくことは不可能。つまり"それ"を"それ"のまま受け入れる事ができない限り、深層意識と表層意識を同次元に持ち得ない。
深層意識をそのまま使うにはすごい訓練が必要だと思う。たぶん言語を忘れるところから始めなきゃならないはずだ。難しすぎる。
しかもそれで捕まえるというのはどういうことだ。
深層意識から手みたいなものが直接にゅーんと伸びてがっちり捕まえるという事を言っているのだろうか。
彼女が捕まえて欲しいと言っているのだから実際見たことがあるのかも知れない。
いや、ヨーグルトみたいだと言ってるのだから深層意識から出てくる手はヨーグルトに似てる可能性が高い。
深層意識と発酵乳は、よく考えると似ている気もする。
そう、ビフィズス菌が胃で消化されずに生きて腸まで届くのと捉えた事象を切り落とさずそのまま奥深くで持ち得るという部分だ。
なんか似ている。
もしかすると似ている、というよりヨーグルトを大量に食べれば深層意識に手が作られるのではなかろうか?
ヨーグルトの手。
ヨーグルテ。
わかってきた。語呂もいいし、ありえる。
ヨーグルトはでろでろしてるからすごく捕まえにくそうだが、実践する価値はあるはずだ。
少なくともヨーグルトは体に良いから問題ない。
そして、もし手ができたならば深層意識で彼女を個体そのものとして何ひとつ漏らすことなく、認識をかえることなく捕まえ、捉えることができるのだ。

とにかく今日も平和だった。きっと明日も平和だろう。


(文・ビビンバ吉田)
皆様ご機嫌いかがでしょうかビビンバ吉田です。
ぱろしょ出張所にお越し頂きありがとうございますよ。

さて、今日はブログらしく私の所感やとりとめのない事柄を綴らせていただこうと思います。
まず今回は社会人3年目、齢25の私がなにゆえ突然やまけん氏とブログを始めることになったのか。
ここには壮大にして流麗、甘美かつ悲哀のちょこっとビターでマーブルなドラマなどありはしないのです。
そもそも初回の今日だって「木曜日は雑記にしようぜ。日本酒うめー」と二人で酒を飲みながら考えただけなので特にテーマもありはしないのです。だからいい加減な事を書きまーす。

じゃああれだ、最初らしく、なんでブログはじめたのん?ということについて。
え、なんでって聞かれてもなあー。
そうだなー、なぜブログを始めたかと言いますとー。ここ、ぱろしょ出張所に対する本店である"ぱろしょ"にはたくさんの書き手の方がいらっしゃいますー。
どうやってぱろしょのようなサイバースペースの辺境の地に辿り着いているのか、私にもやまけん氏にもまったくもって謎なのですがだいぶ大量にいます。
しかし"書き手"に対する"読み手"の数が少ないように感じるのです。これは切ない。

セツナヌフゥゥゥン。

今の1行は何の意味もないので気にしないで下さい。
読み手が少ないのではせっかく書いてもなあ、勿体ないよなあ。読み手増やしたいよなあ。

ビビンバ「じゃあ何かしよう」
やまけん「ブログブログブローグ。ブロロロローン!」
ビビンバ「大丈夫かね?」
やまけん「ブログも集まれば文殊の知恵袋なんつってー」
ビビンバ「これはだめだ」

そんな悲しい実話によってブログを見る人は読み手になり得やすいのではなかろうか、という見解に至ったのです。
ということで私とやまけん氏でぱろしょ出張所を開いてぱろしょの玄関口を作ることになりました。わあシンプル。
だからどこか外から飛んできた人はぱろしょに行ってみて下さると本望。
何かしら読んで何かしらの感想をもって頂ければ大吉。
少しでも興味をもって頂ければ大成功、OK?ということです。
ぱろしょ出張所というブログはフロクなのです。洒落うまい!!

まあ宣伝ばっかりじゃーしょうがないのでこっちもいろいろコンテンツも更新していく所存です。
気が向いたらお越し下さーい。

明日も仕事なので今回はこのへんで。
お風呂入って寝ます。ぴーひょろろー。

しかしコレを書きながら、ブログって自分に向けたものなのか他者に向けたものなのか曖昧なものなのだなあと改めて思いました。


(文・ビビンバ吉田)
環境配慮市長


「市長!21世紀末頃には温暖化ガスの影響で5度前後も気温があがるおそれがあるそうです」
「寒冷化ガス作ったらいいんじゃないか?」
「あー、まあ実際作れたらいいと思いますけど」
「もしくは地球をまるごとでっかい冷蔵庫に入れて冷やす」
「画的に面白いですが考えるならもう少しまともな事言って下さい」
カッ。ドサリ。                 完



「市長!太陽が活動期に入ったそうです」
「今まで太陽は46億年もだらだらしてたということだな」
「市長ほどのだらだらではないと思います。それに活発になるのは11年程度の周期です。市長は太陽が活発になるとどういう影響があるか知ってます?」
「あちこちオーロラだらけになる」
「電子機器に悪影響が出やすくなるらしいです」
「なるほど」
「まあ、ともかく太陽に見習って市長も今年こそ活動期に入って下さい」
「うむ、活発にサボる」
カッ。ドサリ。
ジリジリジリジリ。←すごい紫外線                 完



特別読み切り ~ダメ市長~
「市長はダメです」
カッ。ドサリ。                 完




ぱろしょはモノカキのための、モノカキ以外で例えれば小説以外が投稿以外できるサイト以外の小説投稿サイトです。


(文・ビビンバ吉田)
1 体調不良トリプルコンボ



「夏風邪だ。これは完全に夏風邪だゴホッゴホッ」
ある一室。
ベッドに臥せってウンウンうなる姿がある。
「しかも二日酔いがオエーもう五日も抜けないオエー」
ひどいことになっているらしい。
窓も遮光カーテンも閉め切ったその部屋はお昼でも暗い。空気も籠もっている。
「ああ、そのうえ体が痛がゆい」
おそらく昨日食べた卵かけご飯の卵アレルギーで免疫が低下し、そのうえ少しでもアルコールを抜こうと無理に風呂に入ったのが失敗だった。完全に裏目に出た。
「おのれ卵め…!次に相まみえたときは我が灼熱の炎で焼いてくれるわ」
それは単なる卵焼きだということに気付いていない。
ギリ、と歯を食いしばり卵への憎悪を燃やすそのシルエットは不自然にベッドから盛りあがっていた。
初めてみた人は「布団掛けすぎですよ」と言うだろう。
しかしその実、掛け布団はタオルケット、そして薄いレジャーシートのみ。
つまり、身体が半端なくでかく分厚いのである。
更に頭からは二本の角が生えている。耳もどことなくとんがっている。
布団から足がはみ出ている。いや、これは単にベッドのサイズがあっていないだけだ。
「この場合どういう薬を飲んだらいいんだ」
そう、この夏風邪と卵アレルギーと五日目になる二日酔いのトリプルコンボで完全に弱り切っているこの者こそ、
「魔王様!」
「大声出すな、頭に響くから」
がちゃりといきなりドアを開けて寝室に入ってくる者に対し、ベッドに臥せって微動だにせず軽い文句だけを言うこの者こそが
「魔王様!」
「だから静かにしてくれよオエーゴホッ。何があったんだ」
魔王。
全ての魔物の上に君臨する、最強の存在。
病気には負けているが、最強の存在。
「今回の戦い、決着したようです」
「そうか…、して」
魔王はそれなりに威厳をもって低い声で聞く。
虎のような頭を三つつけた四本足の怪物は首からかけたエプロンで器用に前足をふきながら答える。
「我が軍の勝利です」
「うむ、まあ麻雀強いからな、あいつは」
「これで魔軍は100ポイントの差をつけました」
「次はなんだったかな、ハウスタイガーよ」
「モノポリーです」
「では差し向ける者を選ばねばならんな。軍団長をホールへ集めろ」
ゆっくりと体を起こし、ベッドから降りる。
「既に集めております。あとは魔王様がいらしてくれればすぐにでも始められます」
「気が利くな」
「というか皆モノポリーに夢中です」
「面白いからな、モノポリーは」
鉄製のドアノブに触れると少し悪寒が走ったが、我慢してドアを開けた。
「今日のディナーはどうされますか」
「胃にやさしいものだ」
「はっ、かしこまりました」
後ろで返事をするハウスタイガーを置いて魔王は寝室から徒歩8分のホールへと向かった。
長い道のりだ、と思った。


ホールでは軍団長達がワイワイやっていた。騒音で頭がズキズキしたのでイラッとして近くにいた数体に魔王サンダーボルトを撃ち込んだ。
静かになったホールの一番奥の中央席へ腰を下ろす。
「さて、皆の者」
全体に緊張感が走る。魔王にはテーブルにのっているモノポリーのボードも緊張しているように見えた。
「先の戦いは我が軍の勝利となった。喜べ」
"オオー"と声をあげるもの、うなずくだけのもの。
間をおいて続ける。
「次はモノポリー対決である。この選出を行いたいと思う。前回のモノポリーではひどい有様であった。だからワシ自らが選任を行いたいと思っている」
軍団長達がざわついた。普段の選任は立候補制やくじ引きなどだからだ。
「しかしだ。今、ワシは体調が悪い。なのでとりあえず少し待って欲しい。それまでモノポリーの腕を磨いておいてくれ。ああ、次の勝負はいつだ?」
"来週の日曜日です"と近くにいた軍団長が答える。
「そうか、まあそれまでには治そう」
ひとしきりホール内の魔物達を見回し、
「皆も、知っているようにワシは666の病気・アレルギーの類をもっている。正直死んだ方がマシなくらい辛い。死にたい」
魔王は突然弱音を吐き出した。
あまりに切実な感じだったのでなんか全体的にしゅん…とした空気になってしまった。
「特に去年のインフルエンザは凄かった。八千年生きてきた中でも一、二を争う高熱を出した」
後方で"確かに…"という声がした。
「だが」
翻って語気を強める。右の拳を突き出し、グッと力を込めて握りしめた。
「だがワシが魔王だから生きていられるのだ。並大抵の魔物ならとうに死んでおるぞ…!肉体的にも精神的にも!」
"オオオオー!"という声があがる。
全員立ち上がった。ワケのわからない高揚だ。凄いのか凄くないのかわからない。
「そして、ワシが生きている限り、守人なぞに勝利は無オエー」
ドサリ。
高揚感に包まれた締めのセリフの最後、吐き気にやられて魔王はバッタリと倒れた。


てんやわんやな状態になり、軍団長達は医療関係の魔物を呼んだりベッドまで交代で運んだりとぐだぐだな内に会議は終了した。
そんな中、朦朧とする意識の中で魔王は、モノポリーのチャンスカードはあまりチャンスじゃないんだよな…、というような事を思っていたのだった。




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んー、納得いかない部分も多々あるが、そのうちこなれてくるかなあ。
セリフ部分と描写部分のこう、流れがなかなか…。

(文・ビビンバ吉田)
オススメのぱろしょ小説を紹介しちゃうこのコーナー。
第1回目はこの3本です。失速しないように少なめでスタート。


匂ふ思ひ出 by 市松イチコ
匂いを嗅ぐことで思い出される記憶ってありますよね。ふと街中ですれ違った女性から学生時代つきあってた彼女と同じ香水がして思わず振り向いてしまう、なんてのは黄金パターンです。
ちなみに私は牛の匂いを嗅ぐと自転車で片道50分かけて通った高校時代を思い出します。通学路に牛舎がありましてね。臭いんだこれが。


プラネタリア - 沈みゆく(、水葬) by 水野青井
空から落ちてきたリンゴが泉の中に落ち行く様をスーパースローでとらえたような小説です。あるいは、SALAのCMみたいな小説です。SALAいいですよ。私も使ってます。油断するとドバッと中身が出てくるのは改善してほしいですが。


置物 by 田中電柱
いやしかし、マジメな話、海外の露天で怪しいモノ掴まされたらクーリングオフ不能ですよね。
今回はたまたまクレジット決済だったからよかった(?)ものの。
日本人高齢者の海外旅行客を狙って、現地で高いモノを買わせる詐欺とかいけるんじゃ無かろうか。もうやってるのかもしれないけど。
そんなふうに騙された(?)お父さんを助けるべく、妙に息のあった高校生コンビが大立ち回りするお話です。


……なんだか内容と関係のないコメントが多かったようにも思いますが、おおむねこのような形で今後もやっていく所存であります。ハイ。

(文・やまけん)
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ぱろしょはモノカキのための、尋常じゃない普通さ加減の小説投稿サイトです。

「この前、はがきをぽすっと入れてきたよ」
「どこに?」
「ポポ、ポストにだよ!」
「なんでキレてんの」
「はがきで指切ったからだよ!」

おもしろーい。



うわあ、だじゃれすら出てこない。
本当はりれしょ更新する予定だったのですが無理でした。
次はがんばろう。

(文・ビビンバ吉田)
ブログ市長


「市長!ここ数年で一気にブログが広まりましたね」
「専門知識がなくても簡単に情報や意思を発信できるようになったというのは凄い進歩だな」
「市長も市長ブログやってみませんか?市長の政策や方針などを書き連ねてみては」
「政策も方針も無い」
カッ。ドサリ。      完


「市長!日本版SOX法がもうすぐ施行ですね」
「日本に靴下の法律ができるのか。草鞋が履きづらい靴下は死刑」
「全然違います。まあ、対象が上場企業ですからどのみち市長は関係ないですけど」
「靴下というより袖の下を規制する法律をつくればいいのに」
「微妙に合ってるような全然違うようなでつっこみづらいです。間違うならさっきみたくはっきり間違って下さい」
カッ。ドサリ。                              完


特別読み切り ~七福神市長~
「ホテーイ」                          完


特別読み切り ~海産物市長~
「ホタテー」                          完


ぱろしょ出張所で市長と秘書をちょこちょこ連載していきます。
今回は4話載せましたが、1話になったり2話になったりその時の思いつき具合で変動します。かなりの率で1話です。
初見の方は是非ともぱろしょへお越し下さい。こんなのが500話分くらいあります。
うわあい露骨な宣伝だあ。

ぱろしょはモノカキのための 、長編短編、詩など、ジャンル問わず誰でも参加できる小説投稿サイトです。

(文・ビビンバ吉田)

0 プロローグ


今から少し昔の頃の話。
地平線が見えるほどには広い平野に広がるいくつかの石造りの街が世界の全てであった頃。
人々は野を耕し牛を飼い、僅かな糧を日々神に感謝しつつ、さらに僅かな糧を得るために日々小競り合いをしたりして暮らしていた。

小競り合いは時に国単位での戦争となり、そのため多くの血が流れることも割とあったが、どこの国でも平民は貧乏で騎士は臆病、国を統括する貴族の頭には花が咲いていたため、大抵の戦争は短期間で自然と沈静化するのが常であった。諸国の国力はうまいこと平衡しており、大きな視点で見れば平和と言えなくもない時代が続いていた。

そんなおおむね平和な世界にただ一つの例外がある。今や人々から忘れ去られた「守人国(もりびとのくに)」と呼ばれるその国は、平原の東端にそびえ立つ山脈の向こう側、わずかに広がる盆地に石造りの小城を構え、洞穴の奥からやってくる「魔物」たちと遙か昔から戦い続けているという。

身を挺して異形の存在に立ち向かうという彼の国の騎士たちを平原の国の人々は英雄視し褒め称えた。しかし実際には守人国を見たものはおらず、まことしやかにささやかれる噂だけが守人国の全てであった。

ある時、王が東の山脈に向かって調査団を何度か派遣したことがあった。根も葉もない噂で形のない国を英雄視する民衆が蔓延していることを快く思わなかったのである。しかし、待てど暮らせど国に戻ってくる者は誰一人とおらず、市中では、やれ魔物にさらわれただの、守人美人とよろしくやってるだのと、皆思い思いの噂話に興じ、守人国が人々の興味の対象から消えることはなかった。



翻って山脈の向こう。盆地に広がる花畑に据えられた卓を、青年と少女が囲んでいる。
年齢不相応な色香を漂わす金髪碧眼の少女は、膝の上に広げた新聞に視線を落としたまま言った。

「『守人の足跡か! 東の平原で謎の痕跡見つかる』だってさ」
「何ソレ」
「向こうの新聞。麓に落ちてたの」

青年は銀縁の眼鏡ごしに大きく目を見開いて、卓上の牌を凝視している。
右……左……、また右……と獲物を狙う昆虫のように眼球が揺れている。
どちらの牌を切るべきか迷っているらしい。

「この足跡とやら、私の身長くらいあるよ。守人にも巨人並みにおっきい人いるのねー」
「だとしたら、城の増改築を考えにゃいかんな」

相変わらずお互い視線を交わさない。
暫時の沈黙の後、青年はこれだ、と左の牌を卓上に押し出した。

「ロン」
「なにっ!」
「はい満貫~。また私の勝ちね」
「マジか。何連敗だと思ってるんだ。これじゃ今日も親父にシめられちまう」
「ふふ、ご愁傷様」

少女は読んでいた新聞を、卓上に突っ伏している青年の上に放り投げると、空席に置いてあったスコアブックを開き、『魔物』欄に丸をつけた。

「勝敗にだいぶ差がついてきたけど大丈夫かしら?」
「うるせー。守人男児を甘くみんなよ魔物風情が。たかが100勝差、すぐに縮めてやらぁ」
「10勝差の時も同じようなこと言ってたみたいだけど。まあ、身の程を知りなさい、守人風情」
「あー腹立つ! 明日こそ絶対勝ってやる。首洗って待ってろ」
「麻雀は今日で終わりでしょ。明日からはモノポリーだっけ?」
「勝ち逃げを許すとは……」
「別に逃げも隠れもしないわ。帰りはするけど」

またね、とあくびをかみ殺しながら少女は紅い翼を広げて彼女たちのねぐらへと帰って行った。
青年も起き上がって少女と反対方向に歩いていく。肩を落とした姿がひどく小さい。

卓上に残されたスコアブックが風にはためいた。


守人対魔物、通算戦績――46609対46709。


(文・やまけん)
はじめまして、ぱろしょ管理人です。
このブログは創作小説コミュニティー「ぱろしょ」への客引きがメインですが、その他やりたい放題やろうと思っています。よろしくお願いします。

更新内容は↓な感じです。

■ぱろしょ小説
ぱろしょに投稿された小説を管理人の気分で紹介します。

例:

今週の目標 by ビビンバ吉田
女生徒会長と男副会長が生徒会室で目標を決めるギャグラブコメディ。

ビビンバ文学素敵短編集 by ビビンバ吉田
疲れたときに読むと全体的に生きるのとかどうでもよくなる超ショートショート。

淡水魚ヨリメ by 連打
淡水魚「ヨリメ」とカエルが織りなす魚類系純文学。


■りれしょ
ぱろしょ管理人(ビビンバ吉田とやまけん)が交代で書くノープランなリレー小説。
どこかの王国とどこかの魔王軍がやる気のない戦争をぐだぐだ続ける終わりの見えない物語です。


■市長と秘書
ぱろしょ管理人(ビビンバ吉田)が書くある都市の市長と秘書の日常を描いた超短編小説?(1話が5秒で読み終わる)です。

例:


特別読み切り ~謎のブランク市長~
「市長!しばらくぶりですが、その間に何か変わった事はあったでござるか?」
「それはこっちのセリフだ」                          完


「市長!この前、市長に薦められたお店にケーキを注文してみたんですよ。でもウチはケーキを置いてないと言われてしまったんですが…」
「豆腐屋だからな」
ペニョ。ドサリ。(豆腐の角)                          完


「市長!インフルエンザが流行ってますから気をつけて下さい」
「大丈夫、手洗いうがいもするし、物は煮沸消毒を心がけている」
「へえ、例えばどんな物を煮沸するんです?」
「肉とか野菜」
「単なる調理ですよね」                            完



「市長!子供を狙った事件が頻発してますので、何か対策を取った方がいいのではと」
「3歳以上を成人扱いとする」
「法的な扱いで狙ってるわけじゃないと思います」
カッ。ドサリ。                                完


「市長!さっき、外に市長と瓜二つの人がいて、市役所と反対方向に歩いていっちゃうんで思わず撃ちそうになりましたよ」
「おそらくそれは私だ」
「え?じゃあどうやってここまで来たんですか」
「地球一周してきた。オーストラリアは夏だった」
「もはやどこをつっこむべきかわからないんですけど」
カッ。ドサリ。                                完


特別読み切り ~セキュリティ市長~
「市長!セキュリティ強化の為に各PCに指紋認証システムを導入しましょうか」
「なるほど。指を通してみて体調が悪いと判明したらログインできないシステムだな?」
「体調測定器とごっちゃになってますよね、それ」                 完

(謎のブランク市長より)


■雑記
ぱろしょ管理人の日記です。



その他、気が向いたらおもしろいだじゃれとか更新します。
お楽しみに。
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